プログラム

プログラム

演奏曲目

PROGRAM

4日間の全演奏曲目をご紹介します。曲名の下の「この曲について」を開くと、その曲の解説をご覧いただけます。

DAY 1 2026年9月19日(土)

『こころの奏で』コンサート

会場
サンポートホール高松 大ホール
時間
12:00開場 / 13:00開演
料金
一般 4,500円(当日 5,000円)/ 学生・高校生以下 2,500円(当日 3,000円) 全席指定
※未就学児のご入場はできません

曲目

オープニング

  • ご挨拶実行委員長 宮崎朋菜
  • 開幕宣言名誉実行委員長 デニス・フォン・メック
  • ご来賓ご挨拶香川県副知事 大山智 様

第1部

ヴァイオリン/ユリア・ピャニコワ ピアノ/宮崎朋菜

  1. ヴィターリ

    シャコンヌ

    この曲について

    「シャコンヌ」は、イベリア半島を起源とする三拍子の「舞曲」から発展し、17世紀から18世紀バロック時代に盛んに作曲された変奏曲の一種です。特徴としては、ゆったりとした3拍子のリズムをベースに、特定の和音進行や短い低音のメロディ(オスティナート)が何度も繰り返され、その上で様々な「変奏」が繰り広げられていきます。

    静けさと緊張感、抒情性と劇的な高揚が交錯しながら、次第に壮大な音楽の流れが形づくられていきます。

    作曲者とされているヴィターリは、17世紀イタリアのヴァイオリニスト・作曲家として知られますが、実際にヴィターリ自身の作品かどうかについては議論があります。そのため、今日では「ヴィターリ作と伝えられる作品」として扱われることもあります。

    バロック音楽の持つ構築美と、ヴァイオリンの豊かな表現力が織りなす名作《シャコンヌ》。その奥深い変奏の世界をお楽しみください。

  2. チャイコフスキー

    感傷的なワルツ Op.51-6

    この曲について

    「ワルツ」と聞くと、華やかで優雅な舞踏会を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、この曲に流れるのは、どこか内省的な切なさです。

    この《センチメンタル・ワルツ》は、1882年、42歳のチャイコフスキーが作曲したピアノ小品集《6つの小品》作品51の第6曲。

    当時の彼はすでにロシアを代表する作曲家として広く知られる存在になっていました。けれど、その日々がただ順風満帆で晴れやかなものだったわけではありません。創作の依頼や出版社とのやり取り、生活の現実と芸術とのあいだで、心は絶えず揺れ動いていた時期でもありました。

    この曲は、サンクトペテルブルクの音楽雑誌『ヌヴェリスト』の編集者ニコライ・ベルナルトから、読者向けのピアノ小品を求められたことをきっかけに生まれました。

    このワルツは、華やかに舞うための音楽というより、ふと立ち止まって自分の心の奥を見つめるような、繊細な揺らぎが感じられます。

    言葉にしきれない感情が、そっと旋律となって現れてくる——そんなチャイコフスキーならではの内面の陰影が、この短い作品の中に静かに息づいているように思います。

  3. チャイコフスキー

    メロディー Op.42-3

    この曲について

    《なつかしい土地の思い出》作品42は、1878年に作曲されたヴァイオリンとピアノのための作品です。

    その第3曲「メロディ」は、その中でも特に親しまれている一曲で、ヴァイオリンやチェロのアンコールピースとして演奏される機会も多くあります。

    チャイコフスキーはこの曲を作曲した頃、精神的に非常に苦しい時期を過ごしていました。結婚生活の破綻、世間からの重圧、そして自身の内面との葛藤。

    そんな中で、ウクライナの友人宅に滞在した時の穏やかな思い出を音楽に残したのが《なつかしい土地の思い出》です。

    この曲には悲痛な叫びではなく、どこか懐かしさを帯びた穏やかな叙情が息づいています。

    チャイコフスキーは旋律を書く天才と呼ばれますが、この曲はその才能が最も純粋な形で現れた作品の一つでしょう。

    時代を超えて親しまれる、チャイコフスキーならではの流れるような旋律美をお楽しみください。

  4. 宮崎朋菜

    『四国八十八ヶ所お遍路巡礼の旅』より『第75番 善通寺』

    ピアノソロ

    この曲について

    四国には、弘法大師・空海ゆかりの霊場を巡る「四国八十八ヶ所お遍路」があります。

    山を越え、海辺の道を歩き、人々との出会いを重ねながら巡る約1200kmの巡礼の旅。その道は千年以上にわたり、多くの人々の祈りとともに受け継がれてきました。

    当音楽祭実行委員長である高松出身のピアニスト宮崎朋菜さんは、この四国八十八ヶ所それぞれの札所から着想を得て、88曲のピアノソロのオリジナル作品を生み出すという壮大な創作に取り組んでいます。

    巡礼者が一歩一歩札所を巡るように、宮崎朋菜さんもまた一曲一曲を積み重ねるという、音楽による新たな「お遍路の旅」を描き続けています。

    せとうち国際音楽祭、初日の演奏会におきまして、この創作の歩みから生まれた一曲を抜粋して皆様にお届けいたします。

    故郷への深い想い、巡礼の道に息づく物語に思いを馳せながら、お楽しみいただけましたら幸いです。

  5. サラサーテ

    ツィゴイネルワイゼン

  6. ワックスマン(レオニード・コーガン版)

    カルメン幻想曲

    この曲について

    この曲はもともと、1946年の米映画『Humoresque(ユーモレスク)』の劇中演奏に使われた作品で、作曲は映画音楽作曲家のフランツ・ワックスマンです。ビゼー『カルメン』の名旋律が次々登場します。

    この映画を観たハイフェッツがレコードを出したことで、世界的に知られることとなりました。ヴァイオリンの世界では、超絶技巧の最難関クラスと言われています。

    時は米ソ冷戦下、名ヴァイオリニストであるレオニード・コーガン氏は楽譜入手が困難であったため、自ら耳コピで楽譜を起こし、そこに様々なヴィルトゥオーゾ的な処理を加えることで、コーガン氏自身の演奏スタイルへと磨き上げました。彼の伝説的な鬼気迫る演奏録音は、今なお熱狂的な支持があります。

    この経緯から、この曲の演奏においてはハイフェッツ版とコーガン版の2つの系譜が存在します。いったい何が違うのでしょうか。

    ハイフェッツは超技巧をそうと感じさせない極限まで磨き上げ、人間離れすら感じさせる演奏なのに対して、コーガン氏は、攻めるテンポ、強い踏み込み、食いこむ弓使い、鋭いアクセントで、あたかも「闘士が命を賭ける」カルメンといった、より人間的な叫びが感じられると評されています。

    世界で一般的には、ハイフェッツ版で演奏されることが多いのですが、ユリアさんはコーガンの系譜を引いておられますのでコーガン版を演奏なさいます。

    コーガン版は録音演奏で神話化されているものの、生演奏では滅多に遭遇できるものではないことから、この機会は非常に稀有な音楽シーンとなります。当音楽祭ゼロセッションにおいて、皆さまにお届け出来ることは何より幸運なことです。

    どうぞ、この貴重な機会をお見逃しなく、足をお運びくださいませ。

休憩

第2部

チェロ/宮田大 ピアノ/西尾真実

  1. プッチーニ

    歌劇「トゥーランドット」より 誰も寝てはならぬ

    この曲について

    イタリアの作曲家プッチーニの最後のオペラ『トゥーランドット』の中で歌われる、世界で最も有名なアリアのひとつです。

    舞台は中国。花婿を募集している美しい姫トゥーランドットは、求婚者たちに3つの謎を出し、解けなかった者を次々と処刑していました。放浪中の王子カラフは、その姫に一目惚れ。命をかけて姫の謎に挑み、見事に解き明かします。そして今度は姫に、「夜明けまでに私の名前を当てられたら、命を差し出そう」と告げます。

    この緊迫した状況の中で歌われるのがこの曲です。王子カラフは、「私は必ず勝つ」という揺るぎない希望と確信を歌い上げます。

    静かな夜の情景から始まり、最後の「Vincerò!(私は勝つ!)」へ向かって壮大に盛り上がる音楽は、まさに圧巻の極みです。

  2. カッチーニ

    アヴェ・マリア

    この曲について

    「アヴェ・マリア」——それは、聖母マリアへの祈りを意味する言葉です。シューベルトやグノーにも同名の作品があり、それぞれが美しく、どれも世界中で愛されています。

    カッチーニ(1545?-1618)の作品として広く知られてきたこの曲ですが、17世紀イタリアの作曲家ジュリオ・カッチーニの作品であることを示す確かな資料はなく、現在では20世紀ロシアの作曲家ウラディーミル・ヴァヴィロフが作曲した作品と考えられています。

    ヴァヴィロフは、1970年に発表した録音でこの曲を「作者不詳」として扱いました。その後、別の録音や楽譜の流通を通じてカッチーニ作と紹介されるようになり、「カッチーニのアヴェ・マリア」という呼び名が定着したと言われています。

    静かに繰り返される「アヴェ・マリア」という言葉に寄り添うように、旋律がゆっくりと深く心に沁み込んでいくかのよう。華やかな技巧を誇る音楽ではありません。

    一つひとつの音を大切に紡ぎながら、悲しみや願い、そして希望までも包み込むような、静かな祈りの音楽です。シンプルでありながら、聴く人それぞれの心にさまざまな情景や想いを呼び起こす——それこそが、この旋律が長く人の心に残り続ける理由なのかもしれませんね。

  3. ポンセ/加羽沢美濃 編曲

    エストレリータ

    この曲について

    メキシコの作曲家マヌエル・M・ポンセによって書かれた、美しい愛の歌です。「エストレリータ」とは、スペイン語で「小さな星」という意味。

    歌詞は「遠い空の小さな星よ、あの人が私を愛しているか教えて」という内容です。

    「星」というモチーフは不思議なもので、太陽のように自己主張しない、月のように物語を語りすぎない、静かにそこにいて見守る存在——。だからでしょうか、《エストレリータ》には情熱的なラテン音楽でありながら、どこか内省的で、祈りにも似た雰囲気を持っています。

    もともと歌曲ですが、あまりにも旋律が美しかったため、様々な楽器で演奏され、数え切れないほど編曲がなされています。この度は加羽沢美濃さんの編曲で、チェロとピアノで演奏いただきます。

  4. チャイコフスキー

    歌劇「エフゲニー・オネーギン」より レンスキーのアリア

    この曲について

    『どこへ行ってしまったのか、私の青春の黄金の日々よ』

    プーシキンの小説をもとに、チャイコフスキーが描いたオペラ《エフゲニー・オネーギン》。この作品は、単純な「悲恋」の物語ではありません。愛や友情の中で、若者たちが感情のままに選択を誤り、そして、その取り返しのつかない結果を背負って生きていく物語です。

    レンスキーは、若く純粋な詩人。婚約者オリガを愛し、親友オネーギンを信頼していました。しかし、嫉妬と誤解から二人は決闘することに。

    その凍てつく朝、レンスキーが歌うのがこのアリアです。「どこへ、どこへ、私の青春の日々は行ってしまったのか——」

    死を前に、レンスキーは愛する人との未来、友情、そしてこれから訪れるはずだった人生を思います。

    激しい悲しみというよりも、もう戻ることのできない時間を静かに見つめるような、美しく哀しい旋律。若さの輝きと、失われてしまう「これから」。その両方を包み込むような、チャイコフスキーの珠玉のアリアです。

  5. ピアソラ

    オブリビオン

  6. ピアソラ/伊賀拓郎 編

    リベルタンゴ

    この曲について

    「リベルタンゴ」は、アルゼンチンの作曲家アストル・ピアソラが1974年に発表した作品です。

    タイトルは、「自由(Libertad)」と「タンゴ(Tango)」を組み合わせた造語。伝統的なタンゴの枠を超え、新しい音楽へと踏み出そうとしたピアソラの強い意志が込められています。

    力強いリズムと繰り返されるモチーフは、まるで内側から湧き上がる情熱のよう。華やかさや勢いだけでなく、自由を求める葛藤やエネルギーも感じられます。

    世界中で愛され続けるこの名曲は、一度は耳にしたことがある方も多いはず。テレビやCM、フィギュアスケートなどでも親しまれる名曲です。

※ プログラムや曲順などは変更になる場合があります。

DAY 2 2026年9月20日(日)

『世界のこころの歌』コンサート

会場
サンポートホール高松 大ホール
時間
13:00開場 / 14:00開演
指揮
田尻真高
編曲
河口教昌
料金
一般 3,000円(当日 3,500円)/ 学生・高校生以下 1,500円(当日 2,000円) 全席自由

曲目

  1. エーゲ海の真珠

    A・アルグエロ

    オーケストラ

  2. オー・ソレ・ミオ

    G・カプーロ/E・ディ・カプア

    越智慎悟(テノール)

    この曲について

    「オー・ソレ・ミオ」は、1898年にイタリア・ナポリで生まれました。オペラ史を代表するテノール歌手エンリコ・カルーソーをはじめ、多くの名歌手に歌われており、世界的に愛されているカンツォーネです。

    作曲者エドゥアルド・ディ・カプアは、故郷ナポリを離れた港町オデッサでこの曲を書いたと伝えられています。そのため、明るく伸びやかな旋律の中にも、どこか故郷を思う郷愁が感じられます。

    タイトル「オー・ソレ・ミオ」はナポリの方言で「私の太陽」という意味。歌に登場する「太陽」とは、空に輝く太陽ではなく、人生を明るく照らしてくれる大切な人のことです。

    雨上がりのナポリ湾に広がる美しい朝日を眺めながら、「君と一緒にいる時こそ、本当の太陽が輝いている」と歌います。愛する人への想いと故郷への郷愁をたたえた、世界中で歌い継がれる名曲です。

  3. 間奏曲〜アマポーラ

    G・ビゼー/L・ロルダン/J・ラカジェ

    杣友惠子(メゾ・ソプラノ)

    この曲について

    「アマポーラ」とは、スペイン語で「ひなげし(ポピー)」を意味します。

    1920年にスペインの作曲家ホセ・マリア・ラカジェによって生み出されたこの曲は、美しいひなげしの花に愛する人を重ね、その面影を優しく、そして情熱的に歌い上げた世界的な名曲です。

    流れるように美しい旋律は、ラテン音楽ならではの情熱と気品にあふれ、聴く人の心を穏やかに包み込みます。

    1941年にはジミー・ドーシー楽団の演奏が世界的なヒットとなり、その後も歌手やクラシック奏者によって数多く演奏され、時代を超えて愛され続けています。

    優雅でロマンティックなメロディーに、どうぞ心をゆだねながらお楽しみください。

  4. ロンドンデリーのうた

    アイルランド民謡

    石井真紀(ソプラノ)

  5. コンドルは飛んでいく

    D・ロブレス

    オーケストラ

  6. フニクリ・フニクラ

    G・トゥルコ/L・デンツァ

    男声アンサンブル

    この曲について

    「フニクリ・フニクラ!」という陽気なメロディ。一度は耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。実はこの曲、昔から歌い継がれてきた民謡ではなく、1880年に作られたれっきとした歌曲です。

    そのきっかけは、イタリア・ナポリ近郊のヴェスヴィオ火山に開業した、当時最先端の乗り物「ケーブルカー」。

    「こんなに簡単に山頂まで行けるなんて!」そんな驚きとワクワクを人々に伝えるために生まれた、いわば世界でも早い時代の「CMソング」でした。

    軽快なリズムに乗せて歌われるのは、「さあ、一緒に乗ろう!」という弾むような気持ち。

    140年以上の時を経た今でも、この曲を聴くと自然と心が明るくなり、イタリアの青空や陽気な人々の笑顔が目に浮かびます。ぜひ、そんな当時の人々の高揚感を思い浮かべながら、お楽しみください。

  7. My Heart Will Go On

    J・ホーナー/W・ジェニングス

    漆原美紀(ソプラノ)

    この曲について

    1997年公開の映画『タイタニック』の主題歌として誕生し、世界中で愛され続ける名曲です。

    タイトルの「My Heart Will Go On」は、「私の心は生き続ける」「私の愛はこれからも続いていく」という意味。

    人生には、大切な人との出会いがあり、ときには別れもあります。それでも、共に過ごした時間や愛した記憶は、決して消えることはありません。

    その想いは私たちの心の中で生き続け、前へ進む力となってくれる——。

    壮大なメロディーに乗せて歌われるのは、悲しみだけではなく、愛は時を超えて生き続けるという希望です。世界中の人々の心を動かし続ける、永遠のラブソングをお楽しみください。

  8. I Will Always Love You

    D・パートン

    藤谷佳奈枝(ソプラノ)

    この曲について

    「私は、いつまでもあなたを愛しています。」そんな言葉だけを聞くと、永遠の愛を誓うラブソングのように思えるかもしれません。

    でも、この曲が歌うのは、「愛しているからこそ、あなたの幸せを願って、私は歩き出します。」という、深く優しい別れの物語です。

    映画『ボディガード』で、ホイットニー・ヒューストンの圧倒的な歌声によって世界中に愛されたこの名曲。静かに始まり、やがて心を揺さぶるような大きな愛へと広がっていくその旋律は、今も多くの人の心に響き続けています。

    別れは悲しいもの。それでも、相手の幸せを願える愛がある——。そんな優しさと強さを教えてくれる一曲です。どうぞ、この美しいメロディーに耳を傾けてみてください。

  9. すみれの花咲く頃

    F・ロッター・白井鐵造/F・ドエル

    三木ユリ(メゾ・ソプラノ)

    この曲について

    「すみれの花咲く頃」と聞くと、多くの方が宝塚歌劇を思い浮かべるのではないでしょうか。実はこの曲、もともとは日本で生まれた歌ではありません。

    1928年、ドイツで「白いライラックがまた咲く頃」という流行歌として誕生し、その後フランスへ渡ります。美しいメロディーは人々の心をつかみ、シャンソンとして親しまれるようになりました。

    この歌を宝塚歌劇の演出家・白井鐵造がヨーロッパで出会い、日本へ持ち帰ります。しかし、日本ではライラックよりも身近で親しみのある「すみれ」に置き換えられ、新たな歌詞が生まれました。

    こうして誕生した「すみれの花咲く頃」は、宝塚歌劇を象徴する名曲として歌い継がれ、入団や卒業など、人生の節目を彩る特別な一曲となります。

    ドイツで生まれ、フランスで愛され、日本では「すみれ」の花とともに新たな命を吹き込まれたこの歌。国境を越え、時代を越えて受け継がれてきたその物語もまた、この曲の大きな魅力です。

  10. 愛の讃歌

    E・ピアフ(岩谷時子訳)/M・モノー

    谷原めぐみ(ソプラノ)

    この曲について

    作詞:エディット・ピアフ 作曲:マルグリット・モノー

    世界ではピアフの歌唱で、日本では岩谷時子さんによる美しい日本語訳と越路吹雪さんの歌声によって広く親しまれてきたシャンソン曲です。

    この作品は、エディット・ピアフが当時の恋人であった世界的ボクサー、マルセル・セルダンに捧げた歌として知られています。けれどこの詩は、セルダンの死を悼んで書かれたものではなく、彼の生前に生まれた、燃えるような愛の告白でした。

    その後、1949年にセルダンが飛行機事故で亡くなったことで、この曲はさらに深い悲しみと切実さを帯び、時代を超えて愛される一曲となりました。

    岩谷時子さんの日本語訳詞は、原詞の情熱を大切にしながら、日本人の感覚に届く言葉へと大胆に昇華しています。『世界のこころの歌』コンサートでは、日本語歌詞でお届けいたします。

  11. オー・シャンゼリゼ

    P・ドラノエ/M・ウィルシュ、M・ディーガン

    谷原めぐみ(ソプラノ)/杣友惠子(メゾ・ソプラノ)

    この曲について

    《オー・シャンゼリゼ》は、1969年にジョー・ダッサンの歌唱で広く親しまれるようになったフランスの代表的なポピュラーソングです。

    舞台となるのは、パリのシャンゼリゼ通り。この曲では、華やかな街並みの中で生まれる偶然の出会いや、肩の力を抜いて街を歩くような軽やかさが描かれています。

    明るく親しみやすいメロディー、思わず口ずさみたくなるリフレイン、そしてパリの街そのものを感じさせるような開放感。《オー・シャンゼリゼ》は、聴く人の心まで少し軽くしてくれるような一曲です。

    陽気でありながら、どこか洒落た空気をまとったこの作品。今もなお、「パリを象徴する歌」として愛され続けています。

  12. 誰も寝てはならぬ

    G・プッチーニ

    寺島弘城(テノール)

    この曲について

    イタリアの作曲家プッチーニの最後のオペラ『トゥーランドット』の中で歌われる、世界で最も有名なアリアのひとつです。

    舞台は中国。花婿を募集している美しい姫トゥーランドットは、求婚者たちに3つの謎を出し、解けなかった者を次々と処刑していました。放浪中の王子カラフは、その姫に一目惚れ。命をかけてその謎に挑み、見事に解き明かします。そして今度は姫に、「夜明けまでに私の名前を当てられたら、命を差し出そう」と告げます。

    この緊迫した状況の中で歌われるのがこの曲です。王子カラフは、「私は必ず勝つ」という揺るぎない希望と確信を歌い上げます。

    静かな夜の情景から始まり、最後の「Vincerò!(私は勝つ!)」へ向かって壮大に盛り上がる音楽は、まさに圧巻です。

    この演目は9月19日にチェロの宮田大さんの演奏でもご披露いただきますが、9月20日は本格派歌手による演奏です。どうぞご期待ください。

  13. Friend Like Me

    H・アッシュマン/A・メンケン

    三木伸哉(バリトン)

    この曲について

    ディズニー映画『アラジン』より、魔法のランプから現れたジーニーが歌う、圧倒的にパワフルで楽しいナンバーです。

    「僕みたいな友達は、ほかにいないよ!」そんなジーニーの言葉どおり、華やかな音楽が繰り広げられます。

    初めて観ると、あまりのスピードに「えっ、何が起きてるの?」となってしまうほど。でも、それこそがこの曲の魅力。底抜けの明るさで一気にショーの世界へ引き込む、エンターテインメント性にあふれています。

    聴く人が思わず笑顔になる、会場がパッと明るくなる楽しい一曲です。

  14. A Whole New World

    T・ライス/A・メンケン

    藤谷佳奈枝(ソプラノ)/河口教昌(バリトン)

    この曲について

    1992年公開のディズニー映画『アラジン』で歌われるこの曲は、主人公アラジンと王女ジャスミンが魔法のじゅうたんに乗り、夜空を旅する印象的な場面で流れます。

    タイトルの「A Whole New World」は、「まったく新しい世界」という意味。それは新しい景色だけではなく、新しい価値観や未来との出会いを表しています。

    宮殿という限られた世界しか知らなかったジャスミンは、空から広い世界を見渡し、自由とは何かを初めて知ります。そしてアラジンもまた、彼女と同じ景色を見つめながら、新しい未来への希望を抱いていきます。

    この歌は恋人同士のデュエットとして親しまれていますが、その本質は「未知の世界へ一歩踏み出す勇気」を歌った作品です。

    作曲はディズニー映画の数々の名曲を手掛けたアラン・メンケン、作詞はティム・ライス。1993年にはアカデミー賞歌曲賞を受賞し、今なお世界中で愛され続けています。

    この歌は、私たちの心に「まだ見ぬ世界がある」とそっと語りかけてくれる一曲です。

  15. 民衆の歌

    A・ブーブリル/C.M・シェーンベルク

    全員

    この曲について

    一人の男の更生を描いた壮大な物語『レ・ミゼラブル』の終盤、理想の社会を夢見る若者たちは、不正義に立ち向かうためパリの街にバリケードを築きます。

    《民衆の歌》は、自由と希望を信じる人々の心をひとつにする革命の歌です。しかし、それは勝利を祝う歌ではありません。多くの若者が命を落とすことを知りながら、それでも「未来はきっと変えられる」と信じて歌う、祈りにも似た希望の歌なのです。

    力強い旋律の奥には、未来を次の世代へ託そうとする若者たちの願いが息づいています。

    私たちは今もまた、それぞれの時代の中で、さまざまな葛藤や困難に向き合いながら生きています。この歌は過去の革命を描いた物語としてではなく、「どのような時代であっても、人は希望を失わずに生きることができる」という、人間への深い信頼として心に響きます。

    声を荒らげるのではなく、誰かを打ち負かすのでもなく、未来を信じる心を静かに歌い継ぐこと。その尊さこそが、《民衆の歌》が今なお世界中で愛され続ける理由なのかもしれません。

休憩(15分)

  1. マイ・ウェイ

    P・アンカ/C・フランソワ、J・ルヴォー

    ユリア・ピャニコワ(ヴァイオリン)/綾野真由美(ピアノ)

  2. スタンドアローン

    小山薫堂/久石譲

    石井真紀(ソプラノ)

    この曲について

    静かに、けれど凛として心に残る一曲。久石譲さん作曲『Stand Alone』は、NHKスペシャルドラマ『坂の上の雲』のテーマ曲として生まれました。

    「Stand Alone」——ひとりで立つ。それは、ただ孤独に生きるということではなく、迷いながらも自分の足で歩いていくこと。

    大きな時代のうねりの中で、夢を抱き、悩み、時に立ち止まりながらも、それぞれの道を歩んでいく人々。その姿を包むように、美しい旋律が静かに流れていきます。

    華やかに力強く「前へ進もう」と励ますのではなく、そっと背中に手を添えて、「大丈夫。あなたの道を歩いていけばいい。」そんなふうに語りかけてくれるような音楽です。

    壮大な物語から生まれた一曲ですが、時代や物語を越えて、今を生きる私たちの心にも静かに届く——そんな魅力を持った曲ではないでしょうか。

  3. いのちの歌

    Miyabi(竹内まりや)/村松崇継

    河口教昌(バリトン)

    この曲について

    タイトルだけではピンとこなくても、メロディーを聴けば「あ、この曲だったんだ」と思われる方も多いのではないでしょうか。

    2008年のNHK連続テレビ小説『だんだん』から生まれたこの歌は、竹内まりやさんの詞と村松崇継さんの美しい旋律によって、多くの人の心に寄り添い続けています。

    この曲が語りかけてくれるのは、「命」の尊さだけではありません。家族、友人、恩師、人生で出会った大切な人たち——。たくさんの出会いに支えられ、今ここに生きていることへの感謝。

    そして、悲しみや別れを経験したからこそ気づける、命のぬくもり。聴く人それぞれが、自分の人生を重ねながら受け取ることのできる一曲です。

    あなたの大切な人を思い浮かべながらお聴きください。

  4. にじ

    新沢としひこ/中川ひろたか

    コールジュニア高松(児童合唱)

  5. ヨイトマケの唄

    美輪明宏

    三木伸哉(バリトン)

    この曲について

    1965年に発表されたこの曲は、母への感謝を歌った作品として語られる一方で、戦後の貧しさや労働、そして差別の記憶まで背負った歌でもあります。

    歌詞には、当時の労働現場や職業をめぐる呼び名がそのまま残されており、それがのちに放送では慎重に扱われるようになりました。曲は人を傷つけるためではなく、見下されがちだった労働の尊厳や、子を育てる母の強さを真正面から描いた作品です。

    この歌の歩みには、作品そのものというより、社会が何を「見えにくいもの」としてきたのかが映し出されているように思えます。貧しさ、労働、差別、そしてそこに生きる人の誇り。その重さを抱えたまま、この曲は長く「扱いにくい歌」として語られてきました。

    大きな転機となったのが2012年のNHK紅白歌合戦です。美輪明宏さん自身の歌唱によって、《ヨイトマケの唄》は単なる「放送自粛の歌」ではなく、母への敬意と人間の尊厳を見つめた作品として、あらためて多くの人の心に届けられました。

    背景を知るほどに、この歌が歌っているのは「ひとりの母」だけではなく、時代の底で黙って人々の暮らしを支えてきた人たちの姿なのだと気づかされます。

    この作品を遺してくださった美輪明宏さんに、深い感謝と敬意を込めて。『ヨイトマケの唄』がこれからも多くの人の心に届き、歌い継がれていくことを願いながら、心よりご冥福をお祈りいたします。

    ※「ヨイトマケ」とは、家の地面を固めるために行う地付き作業のことです。

  6. 南国土佐を後にして

    武政英策

    谷原めぐみ(ソプラノ)

    この曲について

    この曲は、1959年4月10日にペギー葉山さんの歌で発売され、大ヒット。200万枚を超える代表曲となり、同年には同名映画も作られました。

    もともとは旧日本陸軍の第40師団歩兵第236連隊の歌を、作曲家・武政英策が歌謡曲として作り直したもの。戦地へ向かう兵士の思いを下敷きにした原歌は、流行歌として生まれ変わり、故郷を離れる人の郷愁や「南国土佐」への愛着を広く伝える歌となりました。

    時は戦後の復興を経て、高度経済成長へ。地方から都市へ働きに出る人が増え、故郷を離れて暮らすことが、決して特別ではなくなっていった時代です。

    高知の民謡「よさこい節」を取り入れた親しみやすいメロディーは、ラジオを通して全国へ。演歌のようでもあり、流行歌のようでもあり、どこか祭りの記憶を呼び起こすような響き。

    けれど、この歌が心に残るのは、それだけではないのかもしれません。故郷を離れ、簡単には帰れない場所で暮らす人々。家族や故郷への思いを、手紙や電話、そして歌に託していた時代。

    人々は同じ歌を、それぞれの場所で口ずさみながら、見えない故郷を共有していたのかもしれません。『南国土佐をあとにして』には、そんな時代の心が、今も静かに残っています。

  7. 秋桜

    さだまさし

    杣友惠子(メゾ・ソプラノ)

    この曲について

    「秋桜」は、嫁ぐ娘が母と過ごす最後の時間を描いた歌。一見すると「母への感謝」を歌った曲ですが、聴くほどに、それだけではない深さに気づかされます。

    幼い頃は、ただ「母」だった人。嫁ぐ日を前にして娘は初めて、母もまた一人の女性として生きてきたのだと感じる——。

    そこには、感謝だけでなく、寂しさ、申し訳なさ、愛しさ、そして新しい人生へ踏み出す決意が重なっています。

    そして、この歌の言葉には「5・5・5」の日本語のリズムが巧みに使われています。静かに刻まれる言葉のひとつひとつが、まるで母と娘の胸の内を映すようです。

    作詞・作曲は、さだまさしさん。何度歌っても、何度聴いても、そのたびに違う場所が心に触れる味わいがあります。自然に自分自身の人生に重ねて聴いてしまう歌だからかもしれません。

  8. あずさ2号

    竜真知子/都倉俊一

    越智慎悟(テノール)/寺島弘城(テノール)

    この曲について

    「8時ちょうどの あずさ2号で〜」昭和52年に生まれた昭和歌謡の名曲。作詞は竜真知子さん、作曲は都倉俊一さんによる大ヒット曲です。あらためて歌詞を辿りますと、なんと切ない歌でしょう。

    主人公の女性は、かつて「あなた」と行くはずだった信濃路へ、あなたの知らないひとと二人で旅立つ——というもの。別れを決めたけれど「さよならは いつまでたっても とても言えそうにありません」。それでも彼女は列車に乗る。

    忘れたわけでも、嫌いになったわけでもない。大切な思い出を抱えたまま、それでも自分の人生を前へ進めるために——。

    「あずさ2号」は、失恋の歌というより、過去を胸に抱いて未来へ旅立つ女性の歌なのかもしれません。

    ちなみにこの曲を歌っているのは、双子の兄弟デュオ「狩人」。1977年にデビューし、この『あずさ2号』で一躍スターダムに駆け上がったユニットです。爽やかなハーモニーとドラマ性のある楽曲で、昭和歌謡の中でも強い印象を残しました。

    本格オペラ歌手の歌う昭和歌謡の名曲を、ぜひお楽しみください。

  9. 見上げてごらん夜の星を

    永六輔/いずみたく

    三木ユリ(メゾ・ソプラノ)

    この曲について

    1963年、作詞・永六輔、作曲・いずみたくによって生まれた、坂本九さんの歌唱で有名になった日本を代表する名曲です。

    この歌が語りかけているのは、美しい星空だけではありません。思うようにいかない日があっても、夜空を見上げれば、星は変わらず私たちを照らしている。そんな静かな励ましと、優しい祈りが込められています。

    1985年、坂本九さんが日航ジャンボ機墜落事故で亡くなられたことで、この曲は多くの日本人にとって、希望の歌であると同時に、祈りや追悼の思いも重なる特別な一曲となりました。

    時代を超えて歌い継がれるその温かなまなざしを、心を込めて演奏いたします。

  10. 元気を出して

    竹内まりや

    漆原美紀(ソプラノ)

    この曲について

    この曲は、もともと薬師丸ひろ子さんのために竹内まりやさんが作詞・作曲した楽曲。1984年に薬師丸ひろ子さんが発表し、1988年には竹内まりやさんご自身がセルフカバーしました。

    歌われているのは、恋に傷ついた女性。けれど、ただ「忘れなさい」「次へ進みなさい」と励ますのではなく、傷ついた心に寄り添いながら、「いつか、この痛みも人生の一部になる」と、少しずつ未来へ目を向けさせてくれます。

    失恋はもちろん、人生には思いがけない出来事が何度も訪れますが、振出しから始めようよ、チャンスはあるはず、人生思っているほど悪くない——と静かに語りかけてくれる、「そばに置いておくと、いつか効いてくるお守り」のような、そんな優しさを感じる歌です。

  11. 津軽海峡・冬景色

    阿久悠/三木たかし

    藤谷佳奈枝(ソプラノ)

    この曲について

    1977年に発表されたこの曲は、作詞・阿久悠、作曲・三木たかしによる、日本を代表する演歌の名曲です。

    舞台は、本州から北海道へ向かう冬の津軽海峡。失恋を胸に、夜行列車で上野を発ち、雪の青森から青函連絡船へ——。主人公は北へ向かう旅の中で、大切な人との別れを静かに受け入れていきます。

    雪、海鳴り、風、そして竜飛岬。厳しい北国の風景が、主人公の心情と重なり、聴く人それぞれの記憶や人生を映し出します。

    石川さゆりさんの情感あふれる歌声によって、この作品は世代を超えて愛される演歌の金字塔となりました。

    補足ですが、この曲には当時実際に運行していた上野駅から青森駅までの夜行列車と、北海道へ渡る青函連絡船が登場します。1988年に青函トンネル開業によって連絡船はその役目を終えたため、この歌は昭和の旅情を今に伝える作品としても親しまれています。

  12. 青い山脈

    西條八十/服部良一

    全員

    この曲について

    1949年公開の同名映画の主題歌として誕生したこの歌は、作詞・西條八十、作曲・服部良一による作品です。

    終戦からまだ4年。日本中が戦争の傷跡を抱えていた時代に、この歌は「新しい時代を自分たちの手で切り開こう」という若者たちへのエールとして、多くの人々の心に響きました。

    「青い山脈」という言葉は、目の前に広がる未来や希望の象徴です。困難があっても山を越えれば新しい世界が待っている——そんな前向きな思いが込められています。

    明るく軽やかなメロディーとともに、「古い価値観にとらわれず、自由に、誠実に生きよう」というメッセージです。

    戦後復興の歩みとともに愛されたこの曲は、日本の歌謡史に残る名曲のひとつとなっています。

※ プログラムや曲順などは変更になる場合があります。

DAY 3 2026年9月21日(月・祝)

スペシャルイベント with チャイコフスキー

会場
サンポートホール高松 大ホール
時間
12:00開場 / 13:00開演
出演
講演:デニス・フォン・メック
ピアノ:宮崎朋菜/ヴァイオリン:ユリア・ピャニコワ
司会・進行:大西ふみ
形式
二部構成・逐次通訳付
料金
招待者様限定(無料)
DAY1もしくはDAY2チケットの半券、DAY4チケット、4DAYパスポートのいずれかをお持ちください。

音楽祭4日間のうち、この日だけは演奏会ではなく「語り」を中心に据えた特別な一日です。名誉実行委員長デニス・フォン・メックによる二部構成の講演とともに、宮崎朋菜(ピアノ)とユリア・ピャニコワ(ヴァイオリン)による演奏をお届けします。

テーマは、四国の「お接待」——見返りを求めず差し出す心——と、チャイコフスキーを支え続けたフォン・メック夫人の心の重なり。創り手を支える者は、その創造に加わっている。その言葉の真意に迫ります。

曲目

  1. チャイコフスキー

    『四季』より〈10月 秋の歌〉

    ピアノ:宮崎朋菜

  2. チャイコフスキー

    感傷的なワルツ

    ヴァイオリン:ユリア・ピャニコワ/ピアノ:宮崎朋菜

  3. チャイコフスキー

    『なつかしい土地の思い出』より〈メロディ〉

    ヴァイオリン:ユリア・ピャニコワ/ピアノ:宮崎朋菜

  4. 宮崎朋菜

    『四国八十八ヶ所お遍路巡礼の旅』より〈第七十五番 善通寺〉

    ピアノ:宮崎朋菜

※ プログラムや曲順などは変更になる場合があります。(順不同・敬称略)

DAY 4 2026年9月22日(火・祝)

『こころと音楽をむすんで』

会場
三木町文化交流プラザ(共催)
編曲
河口教昌
料金
1,500円〜(公演により異なります) 全席自由

10:30開場 / 11:00開演 小ホール

トリサンズパフォーマンス&ブラックライトシアター公演
『見える見える音楽が!』

出演:トリサンズ(音の泉音楽教育研究会)/ せとうち国際音楽祭アンサンブル

【トリサンズパフォーマンス】

音楽が大好きな身長50センチほどの色とりどりのマリオネットが、音楽の世界をご案内するパフォーマンスを繰り広げます。

室内楽とピアノの演奏を、10倍楽しんでいただけるパフォーマンスを演じます。

【ブラックライトシアター】

ブラックライトに浮かび上がる色とりどりの手袋が、あたかも音楽が見えるように動くパフォーマンス。

こちらも、「音楽を10倍楽しんでいただく」ために、音の泉音楽教育研究会のメンバーが長年温めてきたパフォーマンスです。

子どもさんから大人の方まで、音楽の不思議な世界にご案内いたします。

  1. カバレフスキー

    道化師より〜「行進曲」

  2. アンダーソン

    シンコペーティッド・クロック

  3. ムソルグスキー

    展覧会の絵より〜「卵の殻をつけた雛の踊り」

  4. 音楽で遊ぼう「トリさんと音楽ゲーム」

  5. 音のパネルシアター

  6. イタリア民謡

    フニクリ・フニクラ

  7. サンサーンス

    動物の謝肉祭より〜「ピアニスト」「ロバ」「水族館」

  8. チャイコフスキー

    くるみ割り人形より〜「行進曲」

13:00開始

手作り楽器ワークショップ

講師:有岡志麻(トランペット)/ 眞砂美輪(トロンボーン)

身近な材料を使い、自分で作った手作り楽器で音楽祭のコンサートに参加しよう、というコンセプトのワークショップです。作った楽器で、15時からのフィナーレに出演できます。

14:30開場 / 15:00開演 メタホール

『こころと音楽をむすんで』フィナーレ

指揮:田尻真高/ソプラノ:國方里佳、田井友香/メゾ・ソプラノ:坂東宏美/テノール:寺島弘城/バリトン:小川陽久、熊谷公博/ヴァイオリン:ユリア・ピャニコワ/ピアノ:綾野真由美、日野朝代/せとうち国際音楽祭アンサンブル/児童合唱:コモド・ジュニアコーラス

  1. エーゲ海の真珠

    A・アルグエロ

    オーケストラ

  2. 俺は鳥刺し

    W.A・モーツァルト

    小川陽久(バリトン)

    この曲について

    モーツァルトの《魔笛》は、王子タミーノが試練を乗り越え、愛する人とともに真理と人間的な成熟へと歩んでいく物語です。

    その壮大な成長の旅に、ひときわ親しみやすい姿で寄り添うのが、鳥刺しのパパゲーノ。

    彼は知恵も勇気も持ち合わせているわけではありません。けれど彼には、食べること、笑うこと、そして誰かと愛し合い、幸せに暮らしたいという、素朴でまっすぐな願いがあります。

    王子タミーノが「高い理想」を求めて試練に向かう一方で、パパゲーノは「人間らしい幸せ」を求める。パパゲーノは、《魔笛》という壮大な物語に、私たちの日常にも通じる温かさとユーモアを与えてくれる大切な存在なのです。

    「俺は鳥刺し」は、そんなパパゲーノの人柄そのもの。鳥を捕まえる仕事を楽しそうに語りながら、「いつか自分にも素敵な女性が現れないかな」と願う——。

    素朴で、ちょっぴり欲張りで、どこか愛おしい。壮大な《魔笛》の世界を、ぐっと私たちの身近なところへ引き寄せてくれる、モーツァルトらしい楽しさに満ちた一曲です。

  3. 慕わしい人の名は

    G・ヴェルディ

    田井友香(ソプラノ)

    この曲について

    この曲はオペラ『リゴレット』第1幕、主人公リゴレットの娘・ジルダが歌う、ソプラノのコロラトゥーラ・アリアです。

    『リゴレット』が作曲されたのは1851年。イタリアで自由や統一を求める動きが高まっていた時代。ヴェルディが題材に選んだのはユゴーの戯曲『王は愉しむ』。王の放蕩や権力の横暴を描く作品で、検閲により上演困難でしたが、ヴェルディは舞台や人物設定を変更しこれを生み出します。

    そんな緊張した時代背景にあって「慕わしい人の名は」は、ひときわ可憐で純粋な音楽です。

    ジルダは、ある日ひとりの青年と出会い初めて恋をします。その名を思うだけで胸がときめき、幸せを感じますが……『リゴレット』は悲劇のドラマ。ジルダは自分を待ち受ける運命も知りません。

    権力、欲望、復讐、そして親子の愛。人間の暗い世界を描いたヴェルディが、その中に咲かせた無垢な少女の「初恋」。そんな一瞬の幸福を、ヴェルディは繊細で美しい音楽にしました。

  4. 落葉松

    野上彰/小林秀雄

    國方里佳(ソプラノ)/綾野真由美(ピアノ)

    この曲について

    「いけない」に続いて、こちらも小林秀雄氏の作品となります。

    秋の雨に濡れる落葉松。その静かな風景の中で、いつしか自分の心までもが雨に濡れていく——。

    「手が濡れる」から始まり、「心が濡れ」「思い出が濡れ」、そして最後には「乾いた眼が濡れる」。

    自然の情景を描きながら、心の奥にしまわれていた記憶や想いが静かに呼び起こされていくような、日本歌曲の名作です。

    悲しみだけではなく、雨の向こうに差し込む光のようなものも感じられる『落葉松』。合唱曲としても愛されるこの曲を、ソプラノ歌手の歌声でお届けします。

    どうぞ、秋の雨に包まれるようなひとときをお楽しみください。

  5. いけない

    原詩:山中陽子/小林秀雄

    熊谷公博(バリトン)/日野朝代(ピアノ)

    この曲について

    「落葉松」や「まっかな秋」など、日本歌曲の名曲を数多く残した作曲家・小林秀雄氏(1931-2017)。「真っ赤だな、真っ赤だな……」子どもの頃、学校で歌った記憶のある方も多いかもしれません。

    小林秀雄氏は、歌曲や合唱曲、童謡など幅広い作品を手がける一方、日本歌曲の普及・発展にも力を注いだ作曲家です。

    日本語の言葉が持つ美しさを大切にし、「日本人が日本語で歌うことの美しさ」を、生涯にわたって追求した方です。

    そんな小林秀雄氏の作品には、親しみやすい歌から、声楽の専門家によって歌い継がれる日本歌曲まで、実にさまざまな幅広い表情が見られます。

    さて、「いけない」という曲。演奏される機会はあまり多くないかもしれません。どのような音楽、どのようなインパクトを私たちは受け取るのでしょうか。

  6. ウィーンわが夢の街

    R・ジーツィンスキー

    坂東宏美(メゾ・ソプラノ)

    この曲について

    「ウィーン、ウィーン、ただあなただけ——」この印象的な旋律を持つ歌曲は、1914年、オーストリアの作曲家ルドルフ・ジーツィンスキー(1879-1952/文筆家であり作曲家)によって作られました。

    歌われているのは、恋人への想いではなく、ウィーンという街への愛情。古い街並みやワイン、そして街に流れるワルツの響き。そこに暮らす人々が愛するウィーンの風景が、穏やかでどこか懐かしい旋律に込められています。

    華やかなウィーンを描く作品とはまた違い、この曲には、ひとつの街を静かに慈しむような温かさがあります。

    ウィーンを訪れたことのある方には、きっと懐かしく。まだ訪れたことのない方には、いつか歩いてみたいと思わせてくれる。そんな、ウィーンへの愛に満ちた一曲です。

  7. 野ばら

    F・シューベルト

    寺島弘城(テノール)

    この曲について

    「野ばら」は、学校で歌った記憶がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。ドイツの詩人ゲーテの詩に、シューベルトが曲をつけた歌曲です。

    実はこの「野ばら」には、シューベルトのほかにもモーツァルトやヴェルナーによる作品があります。

    野原に咲く美しいばらを見つけた少年。「美しい野ばら」と喜ぶ一方、ばらは「私はあなたを刺します」と告げます。それでも少年は、ばらを手折ってしまう——。

    親しみやすく明るい旋律の中に、美しいものを求める心と、そこに潜む少しの痛み。そんな奥行きを感じさせる名曲です。

  8. サンタ・ルチア

    ナポリ民謡

    小川陽久(バリトン)

    この曲について

    「サンタ・ルチア」で歌われているのは、美しいナポリの夜。

    月明かりが海を照らし、穏やかな風が吹く夜に、「さあ、舟に乗っていきませんか? こんな素敵な夜に、海へ出てみましょう」と、私たちを誘っている歌です。

    この曲を世界に広めたのが、ナポリ生まれのテオドーロ・コトラウ。音楽家でありながら、法律を学び、音楽出版にも携わったという、とても多才な人物でした。

    ナポリの歌曲を愛し、数多くの歌を世に送り出したコトラウ。その代表作となった「サンタ・ルチア」は、やがてナポリを象徴する歌として世界中で歌われるようになります。

    ゆったりと揺れるリズムは、まるで小舟が波に身をまかせて進んでいくよう。この伸びやかな旋律をバリトン歌手の歌声でお届けいたします。

  9. 愛の讃歌

    E・ピアフ(岩谷時子訳)/M・モノー

    國方里佳(ソプラノ)

    この曲について

    作詞:エディット・ピアフ 作曲:マルグリット・モノー

    世界ではピアフの歌唱で、日本では岩谷時子さんによる美しい日本語訳と越路吹雪さんの歌声によって広く親しまれてきたシャンソン曲です。

    この作品は、エディット・ピアフが当時の恋人であった世界的ボクサー、マルセル・セルダンに捧げた歌として知られています。けれどこの詩は、セルダンの死を悼んで書かれたものではなく、彼の生前に生まれた、燃えるような愛の告白でした。

    その後、1949年にセルダンが飛行機事故で亡くなったことで、この曲はさらに深い悲しみと切実さを帯び、時代を超えて愛される一曲となりました。

    岩谷時子さんの日本語訳詞は、原詞の情熱を大切にしながら、日本人の感覚に届く言葉へと大胆に昇華しています。

    9月20日(日)も同曲は演奏されますが、演奏家が異なり、違った味わいをお楽しみいただけます。ぜひご期待ください。

  10. マイ・ウェイ

    P・アンカ/C・フランソワ、J・ルヴォー

    ユリア・ピャニコワ(ヴァイオリン)/綾野真由美(ピアノ)

休憩(15分)

  1. シクラメンのかほり

    小椋佳

    熊谷公博(バリトン)

    この曲について

    小椋佳さんが作詞・作曲し、布施明さんが歌って大ヒットした「シクラメンのかほり」。1975年に発表され、その年の日本レコード大賞を受賞した名曲です。

    この歌は、シクラメンの花にひとつの恋の物語を重ねています。出会った頃の「真綿色」、恋が始まり「薄紅色」、別れは「薄紫」。二人の恋は少しずつ色を変え、やがて静かに終わっていきます。

    サビは「時が二人を追い越してゆく」。

    人生を重ねてもなお、味わい深く心に響く歌だと感じずにいられません。

  2. おもちゃのチャチャチャ

    野坂昭如/(補作 吉岡治)/越部信義

    手作り楽器隊&せとうち国際アンサンブル

  3. にじ

    新沢としひこ/中川ひろたか

    コモド・ジュニアコーラス(児童合唱)

    この曲について

    「にわのシャベルが 一日ぬれて〜」きっと一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。「にじ」は、作詞・新沢としひこさん、作曲・中川ひろたかさんによって生まれた歌です。

    1980年代に生まれたこの歌は、保育園や幼稚園で子どもたちに歌われ、卒園式や行事など、さまざまな場面で親しまれてきました。そして、気付けば30年以上。

    この歌の素敵なところは、子どものために作られた歌でありながら、大人になって聴くとまた違った響き方をすることかもしれません。

    雨が上がり、雲が流れ、虹がかかる。「きっと明日はいい天気」と、そっと背中を押してくれるような希望が込められています。

    雨のあとの虹は、「いろいろあっても、明日は少し良くなるかもしれない」、そんな小さな励ましにも聴こえます。

    この歌は、子どもたちが歌い、先生たちが歌い、親たちが聴き、そしてまた次の世代が歌う——そんな長い時間の積み重ねによって、少しずつ「みんなの歌」になっていった名曲なんです。

    世代を超えて歌い継がれている「にじ」を、ぜひ会場でご一緒にお楽しみください。

    【DAY2】9月20日はコールジュニア高松の皆さんとせとうち国際音楽祭オーケストラ。
    【DAY4】9月22日はコモド・ジュニアコーラスの皆さんとせとうち国際音楽祭アンサンブルでお届けします。

  4. 千の風になって

    新井満

    寺島弘城(テノール)

    この曲について

    「私のお墓の前で泣かないでください」この印象的な言葉から始まる『千の風になって』は、大切な人を失った悲しみの中にいる人へ、「私はもういないのではない。風になり、光になり、鳥になり、あなたのそばにいる」——そんなメッセージを届けます。

    原詩は、作者不詳の英語詩『Do not stand at my grave and weep』。

    日本では新井満さんが日本語訳され、2006年、秋川雅史さんの歌唱によって大きな反響を呼び、世代を超えて愛される歌となりました。

    悲しみの中にいる人の心にそっと寄り添いながら、「あなたはひとりじゃない」そう語りかけてくれるような一曲です。

  5. 糸

    中島みゆき

    坂東宏美(メゾ・ソプラノ)

    この曲について

    1992年に発表された、中島みゆきさんの「糸」。この曲は、発表当初から大ヒットしたのではありませんでした。長い年月をかけて、さまざまな人に歌い継がれ、今では多くの人に愛される一曲となっています。

    この歌が描くのは、人と人との不思議な出会い。人生では、たくさんの人と出会います。嬉しい出会いもあれば、別れや、心を痛める出会いもある。

    それでも振り返ってみると、「あの人に出会ったから、今の自分がいる」そう思える出会いが、きっと誰にでもあるのではないでしょうか。

    縦の糸と横の糸。別々に紡がれていた人生が、どこかで交わり、一人では生み出せなかったものを形にしていく。

    「人は、何のために出会うのだろう。」そんな問いを、静かに投げかけてくれる歌です。そして、長い年月を経て愛されるようになった「糸」そのものの歩みも、この歌の世界と重なって感じられます。

  6. 白雲の城

    松井由利夫/水森英夫

    田井友香(ソプラノ)

    この曲について

    作詞・松井由利夫、作曲・水森英夫による、重厚で格調高い一曲です。この壮大で哀愁に満ちた作品は、2003年、演歌歌手の氷川きよしさんの持つ「力強さの中に切なさを宿した歌声」により大変人気を博しました。

    舞台は、静まり返った城跡。かつて人々や若武者たちが生きた場所も、長い年月の中で姿を変え、今は風と月だけが残されています。

    「夢まぼろしの 人の世は/流れる雲か 城の跡」。人の栄華も、命も、時代も、白い雲のように流れ去ってゆく。月明かりの中に浮かぶ、かつての若武者の面影。しかし、その姿はもうどこにもありません。

    「今いずこ」。この一言に、過ぎ去った時代への哀惜が凝縮されています。

    日本人が古くから抱いてきた「無常」という美意識を壮大なスケールで歌い上げていきます。時代を越えて、聴くほどに心に沁みてくる一曲と言えそうです。

  7. 東京ブギウギ

    鈴木勝/服部良一

    全員

    この曲について

    「東京ブギウギ、リズムウキウキ、心ズキズキ、ワクワク!」この明るく弾む歌声を聴くと、自然と身体が動き出してしまう——。

    「東京ブギウギ」が生まれたのは、戦争が終わって間もない1948年。まだ人々の暮らしには、戦争の傷跡が色濃く残っていた時代でした。そんな日本に登場したのが、笠置シヅ子の底抜けに明るい歌と、激しいダンス。

    作曲したのは、ジャズなど海外の音楽を積極的に取り入れ、日本独自のポップスへと発展させた作曲家・服部良一。なんと服部良一は、電車のレール音やつり革の揺れる音からブギのリズムを感じ取り、メロディーを一気に書き上げたといわれています。

    そして笠置シヅ子の歌とパフォーマンスによって、「東京ブギウギ」は瞬く間に大ヒット。笠置シヅ子は、やがて「ブギの女王」と呼ばれるようになります。

    でも、この歌の魅力は、ただ陽気なだけではありません。「ブギを踊れば 世界はひとつ」。そんな言葉に象徴されるように、同じリズムで歌い、踊ることで、人と人の心をつなぎ、明日へ向かう力を与えてくれる、日本の歌謡史に輝く一曲です。

  8. 青い山脈

    西條八十/服部良一

    全員

    この曲について

    1949年公開の同名映画の主題歌として誕生したこの歌は、作詞・西條八十、作曲・服部良一による作品です。

    終戦からまだ4年。日本中が戦争の傷跡を抱えていた時代に、この歌は「新しい時代を自分たちの手で切り開こう」という若者たちへのエールとして、多くの人々の心に響きました。

    「青い山脈」という言葉は、目の前に広がる未来や希望の象徴です。困難があっても山を越えれば新しい世界が待っている——そんな前向きな思いが込められています。

    明るく軽やかなメロディーとともに、「古い価値観にとらわれず、自由に、誠実に生きよう」というメッセージは、時代を越えて今も色あせません。

    戦後復興の歩みとともに愛され続け、日本の歌謡史に残る名曲のひとつとなっています。

※ プログラムや曲順などは変更になる場合があります。(順不同・敬称略)

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